肌のバリア機能、よく聞く言葉ですが、何のことを指しているかご存知でしょうか?
各化粧品メーカーが様々なコンセプトでスキンケア化粧品を開発しています。
特に、最近になって「肌のバリア機能」に着目した製品が多くなっているように感じます。
それもそのはずで、結局、スキンケアでできることのなかで一番大切なことだから!
肌のバリア機能を高めるにはどうしたらいいのか?何を使えばいいのか?
アンチエイジング世代が肌体力をアップさせるにはどうしたらいいかまとめました。
さっと読むための目次
肌のバリア機能とは?
そもそも肌のバリア機能とは何のことを指すのでしょうか?バリア機能について少し解説します。
私たちのお肌の構造は、大きく分けて3つのパートから成ります。
- 角層・・・肌表面に見えている部分
- 表皮・・・角層の下の部分。細胞を生み出す
- 真皮・・・表皮の下部分。肌の土台となるところ
細胞を生み出す真皮や表皮が重要なのは言うまでもありませんが、一般的にお肌のバリア機能は角層にあると言われています。
0.02mmとラップほどの厚さしかない角層ですが、そこを拡大すると以下のような構造になっています。
顔の場合、レンガ状の角質細胞が約20層積み重なっています。
角質細胞と角質細胞の間には、細胞間脂質によって隙間が埋められています。
細胞間脂質の成分構成
- 脂肪酸20%
- コレステロールエステル10%
- コレステロール15%
- セラミド50%
- 糖セラミド5%
このミルフィーユのようになっている状態をラメラ構造といいます。
健康な角層は20~30%ほどの水分を含みますが、この水分の中の8割が細胞間脂質です。
つまり、細胞間脂質はお肌のみずみずしさを決定する重要な成分。
セラミドなどの成分を含む細胞間脂質は、それ自体に保湿力を持ちます。
さらに、角質細胞同士をくっつけたり、保湿成分を抱え込むことで肌を保湿してくれているのです。
その保湿成分のひとつが、NMF(天然保湿因子)です。
天然保湿因子の成分構成
- アミノ酸類40%
- ピロリドンカルボン酸12%
- 乳酸塩12%
- 尿素7%
- アンモニア、尿酸、クレアチン、グルコサミン1.5%
- クエン酸塩0.5%
細胞と細胞をくっつける細胞間脂質がびちっと隙間なく重なっていることで、水分の蒸発を防ぎ、外からの刺激を肌内部に届かないように守ってくれているのです。
忘れちゃいけない!第一線で肌を守る皮脂膜の存在
肌の少し内側の部分を見て来ましたが、表面でも私たちの肌を守る上で欠かせないものがあります。
肌そのものを第一線で守ってくれている皮脂膜です。
皮脂膜は以下の2つの成分でできています。
- 皮脂腺から分泌された皮脂(油分)
- エクリン汗腺から分泌された汗(水分
よく「天然の保湿クリーム」という表現をしますよね。
肌の水分蒸発量を一定に保ち、水分油分バランスを整える上で欠かせない存在です。
さらに、皮脂の25%を占めるトリグリセリド(中性脂肪)は常在菌の働きにより脂肪酸に分解されます。
これにより、お肌のpHバランスが弱酸性(約pH5.5)に保たれ、外部の病原菌から守ってくれているんです!
- 常在菌の働きによりpHバランスが保たれる皮脂膜
- 天然保湿因子を含む細胞間脂質と角質細胞のラメラ構造
肌のバリア機能が低下しているってどんな症状?
肌のバリア機能が低下していると、ヒリヒリや赤みが出るなど、トラブルが起きやすくなります。
見た目もカサカサと乾燥していて、お肌のきめが粗くなっている状態です。
表面の皮脂と油分のバランスを整える皮脂膜が正常ではないこと。
そして、角質細胞が乱れていることが引き起こしています。
肌のバリア機能が低下する原因
肌のバリア機能を低下させる原因はさまざまです。
- 加齢によるセラミドの減少
- 外気の乾燥、大気汚染、紫外線などの刺激
- 間違ったスキンケアによる刺激
- 睡眠不足、偏った食事、ストレスなど生活習慣
- 常在菌バランスの低下
特に、2と3の「肌刺激」については最近注目されている微弱炎症を引き起こしていると言われています。
微弱炎症とは肌内部で異常だと炎症が起こっている状態なのですが、美容面ではデメリットばかりなのです。
まず、炎症を鎮火させようと毛細血管が太くなることで、大切なコラーゲンネットを破壊したり、免疫反応でメラニンが大量に作られたりします。
さらに、セラミド産生などの通常の肌機能を止めてしまうのです。
これって、めちゃくちゃ恐ろしいですよね(^^;
炎症についてはまだ解明されていない点も多いですが、化粧品メーカーも注目ているポイントです。
▼微弱炎症に働きかける優秀スキンケア多数!
肌のバリア機能を回復させるために大切なこと
微弱炎症を悪化させない!肌に刺激を与えない習慣
微弱炎症は紫外線、花粉、PM2.5などの大気汚染でも起こることが分かっています。
悪化させないためには、日焼け止めはマスト!
最近は大気汚染やブルーライトなどもカットする機能性UVも出ているのでおすすめです。
さらに、できるだけ肌に刺激を与えないように心がけることも大切。
クレンジングの際に肌をゴシゴシ擦ったり、シャワーの水を顔にガーっとかけるのも避けましょう。
- UVケアはマスト!PM2.5などの大気汚染から肌を守るスキンケアもおすすめ
- メイク汚れをしっかり落とし肌に優しいタイプのクレンジングを選ぶ
- 肌を決して擦らない!
肌に刺激を与えることは、シワやたるみなどにもつながることを忘れないでください。
真皮まで合わせてもお肌は2mmの厚さしかないのですから・・・。
セラミド配合の化粧品を使う
肌のバリア機能が低下して、細胞間脂質と角質細胞の間がスカスカになってしまっている・・・
ガサガサになり乾燥していることが想像できます。
細胞間脂質のおよそ半分を占めるセラミドで補給してあげましょう。
セラミドは、
- 年齢とともに低下する(50代は20代のおよそ半分)
- 微弱炎症により産生されにくくなる
といった特徴があります。
炎症が原因のセラミド低下の場合、外側から補給するだけでは根本的な解決とはいきませんが、それでも乾燥への強力なアプローチとなります。
セラミドは最強の保湿成分といわれるくらいですから。
セラミドは植物性セラミドや合成セラミドなど色んな種類がありますが、人の肌に近い構造なのがヒト型セラミドです。
ヒト型セラミドは酵母を原料として作られており、肌への親和性が高く、刺激が少ないと言われています。
また、化粧品の成分表記でセラミドと記載できるものはヒト型セラミドのみ。ヒト型も種類が色々ありますが、
- セラミド1
- セラミド2
- セラミド3
この3つが特に保水力が高い成分です。
セラミドは水に溶けにくい性質のため、一般的にクリームや美容液などで使うのがおすすめされています。
肌のバリア機能を低下させる生活習慣してませんか?
表皮の基底層で生み出された細胞が、ターンオーバーによりどんどん上に押し上げられて角層が作られています。
さらには、その下の真皮細胞、毛細血管・・・
お肌は下のほうからどんどん上に上がってきて出来ていますし、全てが繋がっています。
これらの生活習慣も、結局は、肌バリアを低下させる原因です。
元気な細胞を生み出すためには健康的な生活を送ることが必須条件。
結局は体の中から健康でキレイであることが、見た目の美しさにつながっていくのです。
肌のバリア機能を高める!おすすめのスキンケア化粧品
人に本来備わっているお肌のバリア機能。
ですが、外側から内側から、様々なことが原因で肌のバリア機能は崩れてしまいます。
そんな崩れたバリア機能の回復サポートし、肌力を高めてくれるスキンケア化粧品をまとめました。
根本を解決する!HANAオーガニック
オーガニック通販コスメのHANAオーガニック
「根本的に肌をよくするためには何が必要か?」ということを徹底的に考えられています。
- 常在菌バランスを整えるバイオエコリア
- 慢性炎症を抑えるアーティチョークエキス
- 外部刺激から肌を守るオウゴンなど8種の和漢エキス
- 自律神経を整え毛細血管に働きかけるローズ
一見、オーガニックだから植物を使っているのかなと思いがちですが、きちんと肌理論を理解していて、その上で伝承されてきたいいものを取り入れるというスタンスです。
バイオエコリアというのは聞きなれない成分ですが、オリゴ糖の一種で善玉菌が好んで食べるため、善玉菌を増やすことができる成分です。
肌の常在菌によって、質のいい皮脂膜が作られ病原体などから肌を守ってくれます。肌のバリア機能の第一の壁です。
ところが、防腐剤入りの化粧品を10代の頃から使い続けている女性は、常在菌バランスが崩れている人が多いのです。
セラミドこそ配合されていませんが、炎症が収まればセラミド産生が正常に戻るという考え。
実際、使い続けている人は、自ら潤う力が戻るため化粧品を使う量が減るのだとか。
時間はかかるけど根本からよくしていこう!という考えですね。
内容的にも素晴らしいけど、使い心地も素晴らしいのがHANAオーガニックの特徴。
全てに配合されたブルガリア産の最高峰ダマスクローズの香りに癒されます。
お肌の相性をみるために、まずは1週間分のトライアルセットがおすすめです。
敏感肌でもエイジングケア!アヤナス
敏感肌のためのエイジングコスメ、ディセンシアのアヤナス。
ディセンシアは化粧品メーカーのポーラの社内ベンチャーとして設立された会社です。
ポーラと同じ工場で生産されているので安心感がありますし、ポーラの高い技術力を共有できている部分がメリットです。
(ポーラは国際的な化粧品の祭典でも数々賞を受賞していて、優秀な研究者が多いことでも知られています。)
敏感肌でも使える優しい成分構成で、敏感肌じゃなくても、季節の変わり目に肌の調子が悪い、乾燥する・・・というゆらぎ肌にもおすすめ。
- 外部刺激から肌を守るディセンシアだけの特許技術ヴァイタサイクルヴェール
- 通常のセラミドより4倍浸透するナノ化したセラミドナノスフィア
- ストレスケアができるディセンシア独自の複合成分
睡眠不足やストレスにより皮膚の温度が低下→肌のバリア機能が低下する
ということを独自の研究で科学的に解明しました。
上の成分を見ても分かる様に、独自技術や成分が多く、研究力開発力の面では他の企業は真似できません。
浸透力の高いセラミドが配合されていて、この乾燥をいますぐ何とかしたい!という人にもおすすめ!
日々のストレスから優しく開放してくれるような香りや使い心地も人気の理由です。特にクリームの使い心地は絶品です♪
製薬会社が作るスキンケアヒフミド
CMでお馴染みの大手製薬会社小林製薬。
オードムーゲやケシミンクリームなどドラッグストアでお馴染みの化粧品を作っています。
そんな小林製薬が通販限定コスメブランドとして立ち上げたのがヒフミドです。
- ヒト型セラミドⅠ、Ⅱ、Ⅲを全アイテムに配合
- 無香料、無着色のシンプルな使い心地
さきほども言いましたがセラミドにも色々種類があります。
合成セラミドよりはヒト型セラミドのほうが肌との親和性が高く、細胞間脂質の隙間をぴたっと埋めてくれます。
小林製薬の乾燥対策の有名なスキンケア品だとサイキがありますが、こちらは第二医薬品に分類されるため化粧品ではなくお薬です。
ヒフミドは、乾燥対策のお薬まで作る技術やノウハウがある製薬会社が作ったスキンケア。
しっとりとする使用感が特徴で、香りがないシンプルな使い心地も特徴です。
化粧品は無香料がいい!という方は、HANAオーガニックやアヤナスよりもこちらがおすすめです。
まとめ
日々のスキンケアでお肌の変化が感じられる部分は、ほかでもない角層部分です。
肌のバリア機能を意識しながらスキンケアをしてあげることで、確実にお肌の変化を感じられるはずです。
そして、肌本来の力を鍛えることに繋がり、3年後、10年後の肌もきっと変わってくるはずです。
丁寧で適切なスキンケアをすれば、お肌は必ず応えてくれますよ♪